どもども!くまたんです🐻
今回ご紹介するのは稲垣栄様著『雑草はなぜそこに生えているのか』(筑摩書房)です。
みなさんは「雑草」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
みなさんも「どこにでも生える草」「生命力が凄い草」「定期的に処理が必要な草」のようにどちらかと言えば「たくましい」というイメージを持つ方が多いはずです。
ただ本書を読むとこのイメージが覆されます。
そもそも雑草は植物界では真っ先に生存競争に負けるほど繁殖力の弱い植物なのです。
生態学には「ガウゼの法則」と呼ばれるものがあります。
餌や環境が完全に整った環境であったとしても、同じ餌と環境を必要とする生物種が複数存在すると、最も強い種だけが生き残るというものです。
すなわちNO1だけが生き残るという厳しい摂理
雑草は「ガウスの法則」を巧みに利用しています。
他の植物には生存競争で勝てないと理解した雑草は、植物の集まる森から逃げ出して、道端や畑などの人間が住む場所でのみ繁栄しているのです。
この「ガウゼの法則」には続きがあります。
似た生物種だったとしても、餌や住む環境が少し違っていれば、十分に共存していくことができるのです。
すなわち全ての生物はどこかしらでNO1になれる可能性を最初から持っているのです。
著者はこのような雑草の生き方から「人間社会を生き抜く術」を学ぶことができるとします。
例えば「ガウスの法則」
みなさんにも得意不得意がありますよね?
自分がどんなに得意なことでも絶対に勝てることができないライバルがいることもあります。
そんなときは「ガウスも法則」を応用し、戦う環境を少し変えることができれば、NO1になることもできるでしょう。
また「雑草は踏まれても踏まれても立ち上がる」というイメージが強いですが、本当は立ち上がることはできません。
踏まれた雑草は、倒れた姿勢のまま花を咲かせて種子を残していくのです。
厳しい現状に決してくじけることなく、繁殖という目的を達成しようとする雑草の生き方。
まさに現代の私たちに必要不可欠な力です。
雑草の真の姿を知ると、普段見かける雑草が、特別な植物のように感じられます。
ここまで読むと本書はまるで自己啓発本に感じられたのではないでしょうか。
ただそれほどまでに雑草から学ぶべきことはたくさんあるのです。
「あの人優秀な人だから」と考え諦めていませんか?
「雑草」にできることくらい私たちにだってできるはずです!
植物が好きな方だけでなく、人間社会の生き抜き方を知りたい方はぜひ本書を手にとってください。
きっとあなたに人生のヒントを与えてくれます。