どもども!くまたんです🐻
今回は『職業治験』(幻冬社)を読んでわかった治験の実態についてご紹介します。
【内容】
本書は治験を生活の糧にして生きる男の体験記です。治験の初体験から、裏ルートでの治験、海外での治験、治験者ゆえの苦悩など、著者が実際に体験した出来事をまとめています。
治験とは薬を世に出すために必要な臨床実験のこと
すなわち新薬を開発するのに治験は必要不可欠なのです。
確かに人間に新薬を使うのに抵抗がある人も多いでしょう。
安心してください。
治験が人間に対しておこなわれる前には、何百回にも及ぶ動物実験で安全性を確認します。
そのため、人間に対して健康上の被害を及ぼすことはほとんどありません。
手順については
最初は成人に薬の成分を薄めたものを投与してデータを取る。
副作用などの重大な問題が起きないか確かめるためである。
その後徐々に成分を濃くしていき、人体への影響を調べていく。
ご存知の人も多いかもしれませんが、この治験に参加すると高額の報酬がもらえます。
本書はこの高額報酬が発生する治験を生活の糧にしている著者の話です。
ちなみに治験で生活する人のことを『プロ治験者』といいます。
著者は治験だけで7年間生活しているプロ治験者
プロ治験者である著者の年収は160万円とのこと
なぜプロ治験者になろうと考えたのか
著者は言う
楽がしたかったから!
治験は基本的に検査と入院以外の時間は自由時間です。
検査と入院もベットの上で寝ているだけ、自由時間も好きなことをして過ごせます。
まるで楽園のようにさえ感じました。
治験の期間は基本的に外出を許されません。
食事の時間や睡眠の時間は管理され常にチェックが入るので、プライバシーはほとんどないと言っても過言ではないです。
また、なかには劣悪なものも存在しています。
通常、1度治験に参加すると、健康上の問題を鑑みて4ヶ月は次の治験に参加ができません。
しかし治験者を集めたい病院は報酬を少し高めに設定し、このルールを無視して治験をおこなうのです。
このような実態等も踏まえると、本当に正確な投薬データが取れているのか心配にさえなりました。
薬の不祥事はもしかするとこれらが起因してる可能性さえ考えます。
私たちが普段使用している薬が治験者によって作られている一方で、悪質なケースもあると思うと、どうにも複雑な心境にさせられる一冊でした。